What’s Ombuds man?<討議資料>
2002年6月22日 <森下法律事務所・森下文雄 弁護士>作成資料
オンブズマン〔ombuds man〕
国民・市民に代わって一般的に高い見識や権威を持った人間(弁護士・公認会計士、等)
が国民・市民の代理人として行政苦情の解決や行政の適正運用の確保を図るために中立公平に原因を調査・究明し、行政に対して是正勧告などをする人の事を意味する。
日本語では行政監査専門員と訳される場合が多い。
歴史的背景
制度の発祥はスウェーデンである。第二次世界大戦後の行政機能の拡大を背景に、デンマ
―ク、ニュージーランド、イギリス、フランス、オーストラリアというようにヨーロッパ各国に普及した制度である。ドイツには軍事オンブズマンが、また連邦制をとる国や州や
自治体の一部にもオンブズマンが置かれている。オンブズマンは従来の行政救済制度では
十分に確保できない処置を行うことで公正・適正な行政を実地し国民の行政に対する信頼
性を確保す事を任務とする制度である。類型としては設置場所や任命権が国会か行政府か、
苦情申し立てが直接か間接かによって分けられる。わが国でも1970年代から注目されはじ
め、第二次臨調の勧告に基づき既存の行政監視・救済制度の活性化を図りつつ、それでも
十分になし得ない役割を担い行政部(国の)に設けられる行政型オンブズマンの導入の検
討が行われたが実地には至っていない。
地方自治体オンブズマン<市民オンブズマン>
市民の立場にたって地方自治体の行政に対する市民苦情や救済の申し立てを処理し行政を
監視する任務を持った公職である。オンブズマンは苦情を解決するために必用な調査権
を持ち苦情生ずる原因が制度や運営の欠陥によるものと判断された場合には、首長(市長)
に対して是正勧告や意見表明を行う。既存の救済制度や手続きでは適切に処理できない
市民の苦情を簡易な手続きで敏速に処理をして市民の権利を援護し行政の適正な運営を確
保することを目的とした制度である。
地方自治体の情報公開制度条例を利用し「官官接待・不正な交際費」問題などを追及した
「全国市民オンブズマン・市民オンブズマン」などがボランタリー的な組織であるのに対
して自治体オンブズマンは公的な組織である。1990年に川崎市が行政全般を対象とした
市民オンブズマン、東京都の中野区が福祉部門を対象にした福祉サービス苦情調整委員会
(福祉オンブズマン)の制度を国・自治体を通して初めて設けられた。ほかに新潟市(行
政評価委員会 93年)沖縄県(行政オンブズマン 95年)などがある。
また、中野区のように特定の分野(福祉・環境・教育)を対象としたものには、横浜市
(福祉オンブズマン)埼玉県、逗子市(情報公開・保護)などのオンブズマンがある。 |