浜松一の繁華街にあるザザシティ中央館の経営危機が表面化した。
経営危機回避に向け、浜松市は10億円規模の公的支援をして再生させる計画を進めている。 周辺市町との合併を推進し、政令市を目指す浜松市にとってJR浜松駅前の中心市街地は顔とも言える。一方で、郊外は大型商業施設の進出や出店計画が相次ぎ、中心市街地の衰退を横目に商業エリアとしての機能が高まっている。中心商業地の存在意義は何なのか。顔としてのプライドを維持するためだけの税金投入なら、その賛否について大いに議論すべきだろう。
中心市街地 問われる存在意義
大型商業施設は郊外に
中心市街地の衰退を象徴した老舗百貨店「松菱」破産やアクトタワー売却。だが、郊外は宅地開発の進展とともに人口増が続き、その購買力を狙って大型商業施設が進出を図る。
市内西部に「ジャスコ浜松西店」がオープンし、昨年末には、志都呂に県内最大規模の大規模複合型ショッピングセンター「イオン浜松志都呂ショッピングセンター」が着工した。北部の新都田にはホームセンターのカインズが県内最大級のホームセンターを九月に開業する計画だ。
北東部ではイトーヨーカドー浜松宮竹店を核とする商業施設「浜松プラザ」敷地内で、大規模な複合商業施設が今秋の開業を予定している。
重要な魅力づくり
まさに中心市街地を挟み込むような構図だ。いずれも大駐車場を備えるなど、駐車場不足の中心市街地にない大きなメリットを持つ。 中心市街地は郊外店には演出できない「快適さ」「便利さ」「美しさ」「コミュニティー」を求める場とも言える。政令市に向け、魅力ある中心市街地は政令市誕生の重要なポイントと言う関係者もいる。
だが、現状の松菱跡周辺は、その演出からほど遠い状況になっている。それに追い打ちを掛けるように表面化したザザシティ中央館の経営危機。松菱跡は再生に向けて努力が続けられているが、本当に松菱跡地を含めた中心市街地は再生できるのか。
問いたいのは商業機能が郊外へと足早に移る中、浜松市の中心市街地の存在意義は何なのか、いま一度考えてもいいのではないだろうか、ということだ。
顔というだけの存在意義では市民も寂しく思うだろう。 (浜松総局・江川次郎) |